「一番辛いのは一人でトイレに行けないことだ」という母
98歳の母と4歳の孫が母のいる施設の窓のガラス越しから外の庭を見ています。
庭には池があります。
その中に優雅に泳ぐ大きな鯉が数匹・・・
その動きをじっと見つめている二人の後ろ姿です。
ゆっくりと時間が流れます。
母は私に言います。
一番辛いのはトイレに行きたい時に自分一人で行けないことだと
施設では、トイレに行きたい時は、ヘルパーさん二人に介護してもらって、トイレで用を済ましています。
すぐに来てもらえない時もあるのですが・・・
母がこの施設に入る前、病院に入院していたことがあります。
一人でトイレに行けないので、オムツパットをしていました。
なかなかオムツ交換に来てもらえなかったようです。
「ここは介護施設ではないので、トイレに連れて行けません。」
「オムツ交換は時間がきたらきますから、待っていてください。」
と言われました。
その通りなのでしょうが、
今でも母はその時のことを思い出して、
あの病院にいる時は地獄だったと言っています。
介護のあり方を考えさせられます。